プラスチックや塗料の樹脂には「温度を上げるとガラスのように硬い状態からゴムのように柔らかい状態に変わる」境目の温度があります。これをガラス転移温度(Tg)と呼びます。
身近な例で言えば、チョコレートを冷蔵庫から出すとパキッと硬い(ガラス状態)のに、手で温めると柔らかくなる(ゴム状態)のと似ています。塗料の膜でも同じことが起きます。
アクリル樹脂は、小さな分子(モノマー)を数千個つなげて作った巨大分子(ポリマー)です。モノマーの種類と配合比を変えることで、Tgを自由に調節できます。
1種類のモノマーだけで作ったポリマーをホモポリマー、2種類以上を混ぜて作ったものを共重合体(コポリマー)と呼びます。塗料用アクリル樹脂はほぼ全て共重合体です。
共重合体のTgは、使ったモノマーの種類と割合から予測できます。その予測式がFox(フォックス)式です。
温度を絶対温度(℃ + 273)に変換してから逆数の加重平均をとるのがポイントです。単純な℃での加重平均では正しい値になりません。
各モノマーには固有のホモポリマーTg値があり、それぞれ役割が違います。
このツールでは、選択したモノマー組成から繰り返し単位の平均分子量を計算します。これはモノマー組成の指標であり、実際のポリマー分子量(Mn, Mw)とは異なります。実際のポリマー分子量は重合条件で決まるため、モノマー組成だけでは推定できません。
使用するモノマーの重量部数(phr)を入力してください。空欄または0のモノマーは無視されます。
| モノマー名 | 略号 | Tg [℃] | MW | 重量部数 |
|---|---|---|---|---|
| 合計重量部数 | 0.0 | |||
アクリル酸エステル CH₂=CH-COOR および メタクリル酸エステル CH₂=C(CH₃)-COOR のホモポリマーTgは、エステル側鎖(R部分)のアルキル鎖長(炭素数)によって大きく変わります。
炭素数が増えるにつれてTgが下がり、ある点を過ぎるとTgが上昇に転じる「V字型」のカーブを描きます。
メタクリル酸エステルは、主鎖にメチル基(-CH₃)が付いているため、アクリル酸エステルよりTgが全体的に高くなります。メチル基が主鎖の回転運動を妨げるためです。
| 炭素数 | アクリレート R名 | Tg [℃] | メタクリレート R名 | Tg [℃] |
|---|
※ 一部のデータは文献値が限られるため補間値を含みます。