コンバーテクノ合同会社

共重合Tg推定(Fox式)

アクリル酸エステル共重合体のガラス転移温度を予測

ガラス転移温度(Tg)って何?

プラスチックや塗料の樹脂には「温度を上げるとガラスのように硬い状態からゴムのように柔らかい状態に変わる」境目の温度があります。これをガラス転移温度(Tg)と呼びます。

身近な例で言えば、チョコレートを冷蔵庫から出すとパキッと硬い(ガラス状態)のに、手で温めると柔らかくなる(ゴム状態)のと似ています。塗料の膜でも同じことが起きます。

塗料設計での意味:
Tgが高い樹脂 → 硬い塗膜(耐傷性◎、でも割れやすい)
Tgが低い樹脂 → 柔らかい塗膜(加工性◎、でもベタつきやすい)
トップコートでは通常 Tg = 50〜100℃ で設計します。

モノマーとは?

アクリル樹脂は、小さな分子(モノマー)を数千個つなげて作った巨大分子(ポリマー)です。モノマーの種類と配合比を変えることで、Tgを自由に調節できます。

1種類のモノマーだけで作ったポリマーをホモポリマー、2種類以上を混ぜて作ったものを共重合体(コポリマー)と呼びます。塗料用アクリル樹脂はほぼ全て共重合体です。

Fox式とは?

共重合体のTgは、使ったモノマーの種類と割合から予測できます。その予測式がFox(フォックス)式です。

1/(Tg + 273) = w₁/(Tg₁ + 273) + w₂/(Tg₂ + 273) + w₃/(Tg₃ + 273) + …

Tg : 共重合体のガラス転移温度 [℃]
w₁, w₂, w₃ … : 各モノマーの重量分率(合計 = 1.0)
Tg₁, Tg₂, Tg₃ … : 各モノマーのホモポリマーTg [℃]

温度を絶対温度(℃ + 273)に変換してから逆数の加重平均をとるのがポイントです。単純な℃での加重平均では正しい値になりません。

なぜ +273 するの?
℃を絶対温度(ケルビン, K)に変換するためです。0 K = −273℃ が絶対零度。物理法則は絶対温度で書くと自然な形になるため、高分子物理でもこの変換が使われます。厳密には +273.15 ですが、実用上は +273 で十分です。

モノマーの選び方

各モノマーには固有のホモポリマーTg値があり、それぞれ役割が違います。

  • 硬いモノマー(高Tg): MMA(105℃)、スチレン(100℃)など → 硬度・耐傷性を上げる
  • 柔らかいモノマー(低Tg): BA(−54℃)、2-EHA(−50℃)など → 柔軟性・密着性を上げる
  • 架橋用モノマー: HEMA(55℃)、HEA(−15℃)など → OH基を持ち、硬化剤と反応して架橋する
  • 酸モノマー: AA(106℃)、MAA(228℃) → 密着性・分散性を上げる

平均分子量について

このツールでは、選択したモノマー組成から繰り返し単位の平均分子量を計算します。これはモノマー組成の指標であり、実際のポリマー分子量(Mn, Mw)とは異なります。実際のポリマー分子量は重合条件で決まるため、モノマー組成だけでは推定できません。

🧪 モノマー組成の入力

使用するモノマーの重量部数(phr)を入力してください。空欄または0のモノマーは無視されます。

モノマー名 略号 Tg [℃] MW 重量部数
合計重量部数 0.0
予想 Tg(Fox式)
平均繰り返し単位 分子量
g/mol
組成概要